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パパリンの趣味の世界

ままりんフォト

今月の絵

東都名所 安藤広重(幽斉書)

大判、横型、錦絵、極印 板元 川口正蔵板 広重35歳の作品。今月の絵「佃島初郭公」です。画はアダチ版画研究所の復刻木版画です。

 

浮世絵は鈴木春信により多色刷りの錦絵が誕生し一筆斉文調、勝川春章の写実性の役者絵、鳥居清長、北尾重政の理想形の美人画から寛政年間には美人画の喜多川歌麿、役者絵の東洲斎写楽が現れ完成度が高まった。

 

西洋画の技法から遠近法を巧みに取り入れた風景画の葛飾北斎が現れ人気をはくす。同じ歌川一門から国芳の武者絵の成功、広重も新たな風景画として東都名所拾景、近江八景などから東都名所を発表し風景画家として地位を確保していきます。

 

東都名所、江戸名所など江戸の名所を取材し多くの作品を発表し、晩年の名所江戸百景は119図の大作。東海道五十三次、木曽街道六十九次など他郷の旅宿に題材を求めたものと違い、東都名所をはじめ江戸物には江戸を愛した生粋の江戸っ子の本領発揮でもあります。

 

今月の絵「佃島初郭公」小林忠氏の解説

画面前景に数本の帆柱を並べて高々とそびえ立たせ、中計には泊り船に囲まれた佃島の屋根を接して密集する貧しげな集落をとらえる。そして遠く安房の山影をのぞかせる江戸湾の眺望が写しとめられています。

 

朱色の雲が低くあやしくたなびき流れる三日月が高く清らかにかかる夕空の中、いましも一羽の杜鵑(とうけん・ほととぎす)が夏の到来を告げるかのように啼き渡っていく。此処に季節感豊かな俳諧的詩情が静かにこめられており、造形的意図を露骨にあらわそうとした北斎とは、風景画に寄せる志向において明らかな対比をみせている。本シリーズの中にあって本図のみ模様枠をつけず、黒の単郭線で画面を区切っている。

 

東都名所は①洲崎雪之初日②新吉原朝桜之図③御殿山之夕桜④芝浦汐干之図⑤隅田川葉桜之景⑥真崎暮春之景⑦佃島初郭公⑧忍ヶ岡蓮池之図⑨両国之宵月⑩高輪之名月の10図です。①から⑥までが春、⑦から⑨までが夏、⑩が秋になっています。

各図とも模様は異にする枠で縁取られ、その内側に「江戸京橋銀座四丁目 川口正蔵」と版元名が明記され検印の極印が刻まれている。落款はすべて行書体の「一幽斉広重」とあり本シリーズは「一幽斉がき東都名所」と呼ばれ大判横絵です。

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