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深川資料館では企画展として「広重の旅と名所絵」を今年10月まで広重の作画姿勢などを検証しながらの展示会を長期開催しています。(浮世絵は少なくコピーです。)しっかり研究された展示ですので此処で浮世絵を見てきた纏めとして広重を考えました。
 
まず、歌川広重は寛政9年定火消同心の子として、親は若くして亡くなり家業を継ぎます。その傍ら歌川豊広に入門して師の「広」と自分の名前重右衛門の「重」をとって広重と言う画号になります。
 
27歳で専業の画工になり文政13年斉号を一幽斉と改め「東都名所」を大判横絵十枚揃えで舶来の化学染料のベロ藍を使い遠近感を持たせた手法で新しい浮世絵として世に出していきます。(私の今月の絵で)
 
当時の浮世絵は役者絵、芸者などの美人画などが主流でした。東都名所から出世作になる「東海道五十三次」の当時としては55枚の揃い物が大あたりをします。
 
その風景画ですが実景実写でなく意図的に様々な改変が加えられています。同じように北斎もそうですが実際に歩いて居なく「江戸名所図会」などの色々な出版されている「名所図会」を写しているのではという疑惑があります。
 
広重の作画姿勢になりますがまず①自分が書きたくて書いたものである。版元と言われる出版に対してお金を出している人の意向。②旅に憧れる人々の抱く土地のイメージ、風土気候、食べ物、名所旧跡など購買者の意向に沿うように興味が湧くような形に描いています。
 
広重の現在解っている旅日記は①甲州行日記②甲州日記写生帳③狩野山行日記④房総行日記です。またスケッチ帳もあります。江戸名所写生帖、大英博物館に所蔵されている中山道のスケッチ帖などが解っているものだそうです。
 
広重はそのスケッチを何度も利用したり、全く違う構図にしたもの、名所図会などを種本にしただろうと思われる構図など色々あります。広重が東海道を実際に歩いたかは不明ですが大英博物館のスケッチ帖から推定すると往路の中山道との合流地点の草津から京都まで、帰路の名古屋から江戸までは解っています。
 
広重は江戸名所関係だけで1000枚以上書いています。また東海道を主題にした東海道物も20種類以上制作しています。ですから同じ構図だけでなく東海道名所図会や人気の東海道中膝栗毛などの構図やモチーフを参照している。四条派や中国絵画の影響、作品の季節・時間・天候などの演出を組み込むなどをしています。
 
また街道物が受けた背景としては東海道が整備され庶民も近隣の大山、江ノ島、鎌倉などの旅、富士山、伊勢参りなど講による代表者の旅が盛んに行われて庶民が旅に憧れていた。
 
十返舎一九の東海道中膝栗毛の大ヒットなどが背景にあり東海道中膝栗毛の出版から30年位経ってから広重の東海道五十三次が出版し版木が壊れる位の大ヒットになります。
 
重なりますが版元の意向、購買者の期待に沿うため手前を大きく過大に描き遠近法を用いたり実際とは違う俯瞰的に描いたり広重の絵画姿勢も他の作者との差別的描いていたのかもしれません。
 
3bcfa399.jpg東海道中膝栗毛
十返舎一九の江戸時代後期を代表する滑稽本、1802年に初編刊行されました。膝栗毛は膝を栗毛の馬になぞらえた言葉で徒歩旅行をさします。
 
旅人は弥次喜多と言われる栃面屋弥次郎兵衛と喜多八で伊勢参宮と京都、大阪見物に旅に出ます。日本橋から旅立ち道中面白おかしく兄弟になったり手代になったり宿場宿場で面白おかしく珍道中を繰り広げます。
 
江戸時代最大の大ヒット作となり明治時代まで増刷を繰り返します。また好評の為中国、四国、中山道などを旅する続編も刊行されています。今で言えばテレビドラマ水戸黄門のようです。
 
a0f186d5.jpg東海道名所図会
江戸時代になると東海道も整備され人々の移動が容易になり庶民も様々な旅に出たりその土地土地に関心が集まります。そこで具体的な詳細な挿絵が挿入された名所図会が発行されます。寛政9年現地取材をしたこの本が出版されます。斎藤月岑親子三代で7巻20冊で鳥瞰図を用いた地誌紀行本で長谷川雪旦の挿絵が有名です。また多くの名所図会が刊行されています。
 深川江戸資料館HP                                              http://www.kcf.or.jp/fukagawa/event_detail_030100600101.html

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