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江戸東京博物館で行われている「大浮世絵展」は浮世絵の基本的なおさらいができる展覧会で50を超える国内外の美術館、個人蔵の作品が集まっています。

 

しっかり調べていないのでいい加減なところもあると思いますがそれを恐れず今回の展覧会のおさらい。

 

第一章浮世絵前夜

岩佐又兵衛

 

又兵衛を浮世絵の元祖という、師宣を元祖ということもあり昔の学会の解釈の違いのようで今は岩佐又兵衛を指すようです。信長に滅ぼされた荒木村重の子供で風俗画、長い絵巻物などがある。


第二章浮世絵のあけぼの

菱川師宣、杉村治兵衛、鳥居清信、鳥居清倍、宮川長春、西川佑信、奥村政信、石川豊信など。

 

菱川師宣は浮世絵を確立した。見返り美人で切手にもなっています。

肉筆画が中心だった。時代は絵入好色本の挿絵から鑑賞に耐えられる一枚絵が墨一色の大量印刷で庶民にも手に入る。紅絵、漆絵、紅摺絵となっていく。

 

鳥居清長は鳥居派の祖で歌舞伎の看板絵を描いていた。清倍の市川團十郎などの荒事のひょうたん足、みみず描きは迫力が。

 

第三章 錦絵の誕生

鈴木春信、一筆斎文調、勝川春草、勝川春好,礒田湖龍斎、北尾重政、北尾政演、北尾政美など。

 

武士の間で絵暦交換会が盛んになり金に糸目をつけない人と違う作品をという事で彫師、摺師も技術革新で多色刷りの「錦絵」が出現。その第一人者が鈴木春信。勝川春草は鳥居派と違い立役、敵役などの男性美、写実的にプロマイド的な役者似顔絵が人気に。北斎は弟子。この時期は欧米でも単色の印刷だったので欧米人が驚く。

 

第四章 浮世絵の黄金期

鳥居清長、喜多川歌麿、勝川春英、鳥文斎栄之、東洲斎写楽、歌川豊国、歌川国政、歌川豊広など。

 

鳥居清長は役者絵より8頭身の美人画で背景に江戸の風景を入れる美人風俗画、同じ美人画の歌麿は大首絵。寛政6年から10ヶ月間に突然145枚の役者絵を描く写楽が出現、その後は描いていなく謎の絵師と呼ばれる。別人説、1,2期と3,4期の別人説など未だ誰だかわかっていない。

 

第五章 浮世絵のさらなる展開

渓斎英泉、葛飾北斎、歌川広重、歌川国貞、歌川国芳など。

 

美人画の英泉、江戸の旅ブームに乗って北斎、広重が名所絵、風景画を浮世絵の世界に新しいジャンルを。美人画、役者絵の国貞、武者絵の国芳が台頭。国芳は天保の改革に皮肉を込めた絵、子供が書いたような絵、好きだった猫を使った絵、魚を使った絵文字などの判じ絵などを描く。この時代は歌川豊春を祖とする歌川派の全盛期。

 

第六章 新たなるステージへ

落合芳幾,月岡芳年、小林清親、楊洲周延、豊原国周、橋口五葉,伊東深水、山村耕花,川瀬巴水など。

 

明治に入ると浮世絵は廃れ始める。月岡芳年が最後の絵師と言われる。小林清親の光線画、ポンチ絵。自分で描いて自分で彫って自分で摺る創作版画が織田一磨など。江戸の浮世絵を復活させようと渡辺庄三郎が版元で新版画として川瀬巴水、伊東深水などを起用しブームになる。

 

浮絵は西洋の遠近法を用いて近景が浮き出て奥行が広がる絵で奥村政信西村重長歌川豊春葛飾北斎と継承されていく。

 

今でこそ浮世絵師は芸術家として認知されていますが当時は職人として浮世絵版画絵師は画家としては認知されていない。同じ浮世絵でも肉質画の方が当然認められている。武士出身の絵師は肉質画が多い。

 

今回は大浮世絵展ですが多くの絵師が描いている「春画」はなかった。私も複写の春画をもっともらしい木箱に入ったセットを持っていますが此処へはUPを控えています。

写真は複写絵、絵葉書など。展示されていない絵もあります。

 

 

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