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 東都名所 安藤広重画 (幽斎書)
大判 横型 錦絵 極印 板元 川口正蔵板アダチ版画研究所復刻
タイトル 両国之宵月

解説 小林忠 氏
近景に大きく両国橋の橋げたを捉え、その間から対岸の景観を望む。
近大遠小の視覚を誇張した本図の構図法には、北斎の強い影響を認める事が出来る。

しかし、中空に浮かぶ望月とたなびき渡る紅の雲とに、月光と日没の残光とが映じ合って暮れなずむ夏の夕空を描きだすなど「光の画家」広重らしい鋭敏な感覚を早くものぞかせている事にとりわけ注目すべきだろう。

また、網打つ音や櫓の音が流れ、涼風が吹き渡ってさわやかさを添える大川の川画を遠ざかるにつれて白くうすれる「ベロ藍」で刷いているが、その諧調はことのほかに美しく、印象的である。わずかな色数に限りながら一色一色に多くを語らせるカラリストとしての資質をも豊かに持ち合わせている事を知る。
 
黙ってみると確かに広重というより北斎の感覚に見えます。夕焼けと霞んだ大きな月、これから繰り出すのか屋形船の客に,漁をしまい帰宅を急ぐ漁師の舟、まだ漁をしている舟と夕方の一瞬をとらえているようです。でも解説の涼風が吹き渡る風には感じないのは絵心がない、感性が鈍いのか。

夏の絵として大川は花火か夕涼み団扇を持った芸者絵の方が感じますが。宵といってもまだまだこれからと云った時でしょうか。

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