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初摺は最初に摺った100枚程度の作品で、売れ行きにより増摺されていきます。これが後摺になります。ただ現代みたいに100分の1とかは入っていませんから解りずらい。

 

版木に強い力で摺りますから最初の彫の線は長く摺っていると磨滅したり絵具で線が詰まったり色、線の最初のシャープさがなくなる。増摺では絵師の指定した色、ぼかしが省略される事も出てくる。そんな事を頭に入れ知ったかぶりでの書き出しです。

 

学問的にズレている部分もあるかと思います。また写真もボケが多くその点はお許しください。

 

まず最初はスタートの日本橋です。上の段が本来の絵で下が変わり図、後摺と言われるものです。

上は有名な日本橋 朝の景、下が変わり図で後摺の違いだけでなく新しく版木を作り直した日本橋 行列振出、一目で違いが解る図でもう別物です。

 

品川も題名が変わっています。上が日之出、下が諸侯出立と変わっています。写真が下手で見にくいですが船の帆柱の奥に見えた朝日がなくなり、大名行列が長く続いています。

 

川崎の六郷渡舟です。下の変わり図では左の筏の漁師が消え、富士山も消え、代わりに鳥の群れが入っています。

 

神奈川では家並の屋根角度、水平線の位置、手前の舟の前の小舟が消えています。

 

戸塚では茶屋の前で馬から降りる人が下の図では馬へ乗ろうとしています。またお店の格子が閉じられ、背景も変わっています。

 

小田原では背景の箱根の山の険しさが緩やかになり、酒匂川を渡る人々が増えています。天ぼかしが黒から赤に変わっています。右山下の小田原城の描き方も変わっています。(長くなりましたから続く)

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