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55枚の各地の絵の中には広重の遊びが隠されています。有名なものですから今更という事もありますが変わり図(異版)を書いたのでそのおまけとして載せます。
14枚目原、画面から大きい富士が飛び出す原ですが荷物を持つ伴の着物には広重の名前をカタカナで描いた「ヒロ」が見られます。広重は他の東海道物でも原の富士山は画面から飛び出す絵になっています。富士山がそんなに大きく見られるのかと原で下車した事がありますが今はそんなに大きく見えなかった記憶があります。
20枚目府中、家康の駿府城がある府中です。このシリーズ唯一の東海道五拾三次の内のタイトルが上段に横書きの図です。安倍川を渡る図ですが右下の肩車で渡る旅人の法被に版元の竹内の竹が描かれています。
23枚目藤枝では問屋場での情景ですが馬の腹掛けにこのシリーズの版元竹内、荷物には保永堂と描かれています。
36枚目の御油の図です。旅人留女の右側の旅籠の看板にはこのシリーズの版元竹内版と大きな提灯、吊り下げられた名札には自分の一立斎画、彫師、摺師の名前がさりげなく書かれています。
41枚目の鳴海名物有松絞ですがその絞りを販売しているお店ののれんに広重のヒロを組み合わせた印、版元の竹内、新版が描かれています。
46枚目庄野 白雨でにわか雨の中を傘をさしたり蓑をかぶって慌てて帰宅する絵ですがよく見ると傘に「竹のうち」「五十三次」が書かれています。坂をにわか雨で急いでいる人々が目に入り、スピード感があるこの絵では大きく書かれた遊びも中々気が付かない。
48枚関、本陣から早朝の旅立ちの図ですが、幕に描かれた大名の紋は広重の父方の田中をデザイン化したものだそうです。中間が持つ提灯には自分のヒロ、左のまくられた幕の中ねには仙女香、美玄香という当時のお化粧、白髪染めの宣伝、ご丁寧に京ばし南てんま三丁め坂本氏と住所まで書いています。
さりげなく版元や自身の名前、彫師、摺師、化粧品の宣伝などをいれています。そんな事を気にしながら細部もよく見ることになります。これも一つの楽しみでもあります。また東海道には沢山のお城があったのですが私には6つしか気が付かない。
広重の遊びも私が気が付かないだけでまだまだあるものと思います。ぜひ見る機会がありましたら探してみてください。(了)
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