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温泉旅館を書いたので少し長いですが以前宿屋のオヤジをやっていた時に頼まれて書いたものを載せます。
まず、建物は、外観はどうあれ、中に入ると広々としたロビー、お客様を迎える仲居が並び中庭からの風景、小さければ坪庭、そして書画骨董、いけばなが迎えてくれる。
窓からは、地域の風景、風、匂いを感じる。そして、浴衣に丹前で温泉へと向かう。途中の廊下にも旅館それぞれが工夫したおもてなしを見て感じ、さぁ大きな湯船、手足を伸ばして今日一日を思う。もう、あなたは、旅人。
夕食は、季節、地域の山海の珍味。地のお酒を飲みながら仲居さんにこの地域の見どころ、歴史でも聞きながらもう、あなたは、普段が一杯なら二杯とお酒もすすみ水菓子が出る頃にはお殿様、御姫様。
近くを酔い覚ましに散策、浴衣に丹前、ちょっと寒いかなぁと普段手を繋がない夫婦も今日ばかりは。そぞろ歩きで射的や名物の買い食いで足湯なんかがあればなぉのこと肩寄り添って旅館へ帰り、明日のお土産何にする。
部屋へ帰ればお布団がしかれ。上げ膳据え膳奥様大喜び。なぁんてね。
冗談はさておき、旅館は一夜のお客様に日本全国の多くの地域の中からまたその中から当館を選んでいただいたものですから、何とかこの地域、この旅館で楽しんで良い思い出をと心配りをしています。
良い風景があるならそれを前面に、また狭ければ坪庭に季節の味わいを出しお部屋からの風景も植木職人が季節季節の木々、花などを配し、床の間にも季節の花を活け、料理にも器、食材にもささやかですが季節、その地域を感じるものを選んでいます。
そこには、日本の伝統をさりげなく入れてあります。そして一番は、日本人が持つおもてなしの心があります。
今は、宿泊料金が過当競争から低額になっています。限られた予算で難しいので一部西洋かぶれのバイキングがありますがピラフ、から揚げ、スパゲティ、大盛り皿のひっくり返った刺身、小さなケーキなど何処でも食べられます。
シティホテルも良いですがたまには、和風旅館も良いですよ。
きっと感じます日本って良いなぁと。
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