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上野駅公園口から入ると最初の美術館、前庭にはロダンの作品が並んでいる。私は普段前庭を通って東京国立博物館へ向かうか、入って右側横の喫煙コーナーでロダンの地獄門を見乍ら一服します。
この美術館は松方幸次郎が大正時代にヨーロッパで収集したコレクションの為に作られた国立美術館。内容は極端に言うと印象派とロダンの彫刻が有名。現在はそれを核に買い増しをしているようです。
松方は川崎造船所の社長、川崎財閥の各企業を束ねていた神戸の巨頭で大正5年頃から沢山の美術品を収集。しかし昭和2年の世界恐慌で川崎造船やグループも破綻、その負債整理の為千数百点に及ぶコレクションを売却、ブリジストン美術館、大原美術館などへ、大半は不明になっている。現在の東京国立博物館の浮世絵8000点も松方コレクション。
凄いのはこの他にイギリスの倉庫にも300点あったが此れは焼失、パリのロダン美術館にも400点が預けられていた。パリの収蔵品は敵国資産と言う事でフランス政府に接収されていた。
サンフランシスコ平和条約交渉の中でこの返還交渉をしていたがフランスの返還条件は日本政府がふさわしい美術館を建てると言う事で戦後で日本政府も資金不足で厳しく藤山愛一郎、著名な美術家が寄付を募りフランスの設計家ル・コルビュジエに依頼しその弟子の前川国男などの実質設計に寄り完成。全部の作品は戻らずかなりいい作品はオルセー、ルーヴル、ポンピドーなどの美術館にある。
この建物は素人目には普通の建物にしか見えませんがフランスによりドイツ、スイス、など世界7か国23施設で「ル・コルビュジエの建築と都市計画」として世界遺産に推薦されていています。来年フランスからの推薦による日本では初の世界遺産と言う事になりそうです。
当然入れ替えもあり何度か見ています。多分此処の常設展は他の美術館の企画展より凄い作品が多く好きな美術館の一つです。
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